酸熱トリートメントの功罪について
髪質再生師インストラクター、テクニカルディレクターの青田です。
今回ホームページがリニューアルされ、お役に立つ情報を小出しにし、美と健康を提供出来たらと思っております。
今回はちょっとまずいなと最近思っていた事があり、いち早く知ってもらいたいとの思いでアップいたします。
その名は「酸熱トリートメント」。
web検索すると沢山のお店で導入され、ここ1〜2年広く浸透しています。
施術時間が早い、結果が出る、誰でもも簡単に施術が出来る等の理由で流行っていますが、裏側に多くの問題が潜んでいます。
どんな問題かというと、
カラーが染まりにくい、ストレートがかからない、パーマもかからない等の今後のヘアスタイルを左右する問題。
そして何より耳にするのは、酸熱トリートメントを行いしばらく経過すると、
「やる前よりも髪の状態が悪くなった」というたくさんの声、こういった問題を抱えるお客様が後をたちません。
ではなぜこんな現象が起きてしまうかというと、
それは180度位の熱を利用してトリートメントを行っているから、
薬剤を使い高熱を使用する施術は、簡単に言うと髪が髪じゃなくなってしまいます。
100度以上の熱は、タンパク質を焦がし別の物質にします。
それを利用して一時的に癖が収まる、艶が出る、手触りが良い効果が得る、それが酸熱トリートメントの仕組みですが、それはあくまでも一時的。
分かりやすくタンパク質の性質を髪と同じタンパク質でできている卵で表現すると、
卵を茹でたり焼いていくと固まっていきますね。そしてゆで卵や目玉焼きのように全体的に硬くなり表面もつるつるしてツヤも出ます。
髪も同じで熱を加えていけばツヤも出て感触が良くなります。
ただその髪に毎日シャンプーやブラッシング、コテなどの物理的力を加えれば、
切れたり、枝毛になり、固くなった卵に箸やフォークで突っつけば割れるように、とても脆くダメージが加速していきます。
さらに熱を加えすぎた髪はもう元の髪と同じ組成ではなく、一部が炭になっているため
パーマ、カラー、ストレートはかからず、
焼きすぎた卵を生卵に戻せないように、髪も元には戻りません。
(科学的な解釈とはかけ離れた表現をご容赦ください)
一時的なまとまりやツヤを出す為に、
実は結構怖いことをしてしまっている、以前もこういったトリートメント(M3D)が巷で流行った時期がありましたが
やはり長くは続けられず、そのブームも長続きしませんでした。
髪は1ヶ月で約1センチしか伸びません。
髪に熱を加え本来のタンパク質を変えてしまえば、元に戻すまで多くの時間が必要です。
正しい知識を身に付け、そうならないようにすることが大切。
素晴らしいヘアスタイルを作るには、髪そのものが美しくなければならない
それが私たちが掲げるコンセプトです。